KODAI KITA

“Boundary -Fukushima” video / 04:12min / 2015

福島県の郡山市と会津若松市のほぼ中間に位置する会津磐梯山(標高1,819m)の稜線上に線を引いていく記録映像。 2011年の東日本大震災前から震災後にかけての約一年半の間、福島のいわき市に住んで生活するなかで、震災前と後とで変わったことと変わらなかったこと、そして福島から京都に移住して感じたことなどを考えながら山頂からの風景を臨んだ。 実際に山に登って向こう側の風景を観なければ体感できない景色があり、それは、Google Earthの画像からは得られない。 3.11以後、郡山(中通り地方)と会津地方では原発事故にともなう放射線量に大きく差があり山はその境になっている。同じ山でも観る位置や 角度によって受け取る印象は大きく異なるだろう。残雪がまだ多く残り暴風が吹き荒れる山頂で、ただひたすら一本の線を引いていくこの行為は、見えない「境界線（Boundary）」を可視化させる。