女(と男)の山
最近通い始めたスペイン語教室のメキシコ人の先生と、登山について話をした。
メキシコシティ近郊に、日本の富士山に形が似ていることから メキシコ富士と呼ばれる山があり、その隣には「女の山」という山があるそうだ。
なぜそう呼ばれているのかと言うと、町から眺めるとボコボコしたその山の稜線が、仰向けになっている眠れる美女に見えるからという理由だった。
その一方で、隣にある円錐形の富士は男の山なのだという。
男と女の伝説として古代アステカ時代から現代までその土地に語り伝えられているということを、「僕はおっぱいの部分に登った」などと他愛もない話も交えながら、絵を描いて説明してもらった。
僕ははっとして、学生時代に登った栃木県の「女峰山」(男体山の隣に位置する)を思い出した。
記憶を辿りながら昔の写真データを探ってみると、うまい具合に女のカラダに見えるアングルでとらえた女峰山が残っていた。
それは、ほんのり白い雪化粧をした魅惑的な女だった。