流れ山 flowing mountain
ギャラリー空間の床にチョークで山の鳥瞰図を描き、その上を鑑賞者が歩くことで描かれた像(イメージ)は日々変化していく。 私は山の鳥瞰図と認識してイメージを描き出すが、鑑賞者は必ずしもそう受け取るとは限らない。人はこの“山のようなモノ”を目の前にしたとき何を思い描くのだろうか。昨日見た海のしぶきかもしれないし、子供の頃に体験したスキーの情景かもしれない。消えては描き消えては描きの繰り返しで更新され続けるこの床の上の絵画は、個々の記憶の中のイメージを供給し、それらを収める器のように空間の中で機能する。